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投稿日:2019年12月30日 更新日:

火災保険の見直し方とは?セット加入で地震保険にも入るべきなのか

小沢 美奈子
ファイナンシャルプランナー

小沢 美奈子

火災保険の見直しについて考えたことがある方は、案外少ないのではないでしょうか。

火災保険は、持ち家の方でしたら住宅を購入した際に加入する、あるいは賃貸の方でしたら入居した際に加入することほとんどで、おそらく加入したままという方が多いように思います。

そこで今回は、火災保険の見直し方をテーマに、そもそも火災保険とは?からはじまり、見直し方のポイント、さらには火災保険とセット加入する地震保険についても解説したいと思います。

 

そもそも何が火災保険の対象となるの?

住宅に付帯する火災保険では、「建物」および、その建物に収容されている「家財」が保険の対象となります。

なお、持ち家の場合は、「建物」と「家財」を保険の対象とすることが一般的です。

一方賃貸物件の場合、「建物」に対する保険は大家さんが加入するため、入居者は「家財」のみを保険の対象とし、それとともに賠償責任保険(詳しくは後述)を付帯して加入することになります。

 

火災保険にはどんな補償があるの?

次に火災保険では、どんな損害に対して保険金が支払われるのかを確認してみましょう。

 

【火災保険の主な補償】

  • 火災、落雷、破損・爆発があった時…「家が火災により全焼した」、「雷が原因で電化製品が壊れた」、「ガス漏れによる爆発で家が壊れた」などの損害に保険金が支払われます。
  • 風災・雹災(ひょうさい)・雪災が起きた時…「台風や竜巻で屋根が飛んで壊れた」、「雹が降って屋根に穴が開いた」、「豪雪によって建物が壊れた」などの損害に保険金が支払われます。
  • 水災が起きた時…台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石などによる損害に保険金が支払われます。
  • 水漏れ、外部からの物体の衝突などがあった時…「水道管から水漏れして、部屋の床が水浸しになった」、「建物に車が突っ込んできた」などの損害や、デモなどに伴う暴力行為によって生じた損害に保険金が支払われます。
  • 盗難の被害に遭った時…家財や現金が盗まれたり、泥棒によって窓ガラスが壊されたりした場合に、保険金が支払われます。(支払われる保険金の上限があります)
  • 不測かつ突発的な事故などが起こった時…掃除中に誤ってガラスサッシに家具をぶつけて割れてしまった場合などに、保険金が支払われます。

火災保険では、上記のような損害に対して支払われる保険金のほか、損害に付随して支払われる「費用保険金」もあります。

 

【主な費用保険金】

  • 失火見舞費用保険金…保険に加入している建物から発生した火災、破裂、爆発によって、第三者の所有物を壊してしまった場合に、その見舞金などの費用に充てるために支払われるのが失火見舞費用保険金。
  • 地震火災費用保険金…火災、噴火またはこれらによる津波を原因とする火事が起き、一定の損害を受けた場合に、地震火災費用保険金が支払われます。

 

火災保険の保険料はどうやって決まるの?

火災保険の保険料は、保険金額に保険料率(保険料を決めるための基礎数値)をかけて算出します。

そしてその保険料率は、「地域」や「構造」などによって決まるしくみです。

ポイント

保険料=保険金額×保険料率

 

「地域」による違い

「地域」ごとのリスクを考えた場合、一般的には北に行くほど雪などのリスクが高まり、西へ行くほど台風リスクが高まります。

また、住宅が密集する東京などでは延焼リスクが考えられます。

保険料はそうしたリスクに応じた料率が適用されるしくみになっており、保険料率の最も高い都道府県と低い都道府県を比較すると、1.40~2.59倍の違いがあります。

 

「構造」による違い

住宅として使用する建物の構造は、「M構造」「T構造」「H構造」の3つ。

保険料率は以下の図の通り、M構造<T構造<H構造の順番に高くなります。

 

火災保険を見直すタイミング

火災保険は一度加入したままかけっぱなしではなく、建物や家族構成などの変化に応じて定期的に見直しをすることが大切です。

ではどんなタイミングで保険を見直したらよいのでしょうか?

  • 建物を建て替える時…建物の構造や保険金額などを変更するため
  • 建物を増築する時…建物の保険金額を増やす必要性がある
  • 引っ越しをする時…地域が変わると、保険料も変わることがあるため
  • 家族が増えた時…結婚や出産などで家族が増えると、家財の保険金額を増やす必要性がある
  • 家族が減った時…子どもの独立や離婚などで家族が減ると、家財の保険金額を減らせる

その他、家を売却する時や、住宅ローンを借り換える時、家を誰かに貸す場合、地震保険を途中で付ける場合(詳しくは後述)なども、火災保険を見直すタイミングだと言えます。

 

基本的に契約内容に変更が生じる場合は、保険会社に速やかに連絡を入れる必要があります。その結果保険料がアップする場合は、保険料を追加で支払います。

反対に、保険料が下がる場合は、保険会社より保険料が返還されるようになっています。

 

保険料を安くするポイント

火災保険の保険料を安くするには、割引を適用させることや、1年契約ではなく長期契約(最長10年)で加入する方法などが考えられます。

たとえば割引であれば、新築した家に適用できる「新築割引」や「オール電化割引」などは基本的なところで、最近は、「ホームセキュリティ割引」や「ノンスモーカー割引」などが適用できる商品もあるため、そういった割引を使って保険料を安くすることが可能です。

一方、長期契約については、「長期一括払い」にすると保険料を安くすることができます。

そのほか、「長期分割払い」、「長期年払い」でも、割引が適用されます。

 

保険期間の途中で解約できるの?

火災保険は、保険会社ごとにさまざまな特色を打ち出しており、補償内容はもちろんのこと、保険料にも違いがあります。

「今の火災保険を解約して、もっと安い保険料の保険会社に変えたい」という方もいますよね。

ところで火災保険は自己都合で解約できるのでしょうか? 答えは、イエス。

火災保険は保険期間の途中で解約をすることができますし、さらに解約の手続きをすると、解約日から保険の満期日までの保険料を払い戻してもらえます。

ただし、一旦解約をしてしまうと、解約日以降の保険事故に対しては保険金が支払われなくなってしまいます。

安易な解約は避けて、解約する際は保険に加入していない空白の期間ができないようにするために、新しい保険が決まってから手続きすることが大切です。

 

また、もう一つの注意点。

住宅ローンを組んで購入した家などで、質権が設定されている契約を解約する場合は、質権者(住宅ローンを組んでいる金融機関がなることが多い)から書面による同意が必要となります。

保険会社の指示に従って、必要な手続きを行いましょう。

 

賃貸の場合でも火災保険は見直した方が良い?

もちろん、賃貸契約の場合でも、保険の見直しは行った方がよいでしょう。

賃貸物件の場合、「建物」の保険は家主である大家さんが加入することになるため、入居者は主に、「家財」の保険と、火事などを起こして建物に損害を与えてしまい、家主に法律上の損害賠償責任を負ってしまう場合に備える「借家人賠償責任保険」に加入することになります。

 

賃貸物件の火災保険は、戸建ての火災保険と違い、賃貸借契約の流れの中で不動産会社が提案するままによく考えずに保険に加入し、その後見直しをする人が少ない傾向があります。

中には、家財の保険金額が適正でないケースもあり、その場合は保険を見直すことで、無駄な補償が減る可能性があります。賃貸でも、火災保険の見直しは行った方がよいでしょう。

 

地震保険の見直し方

さてここからは、地震保険ついてのお話です。

相次ぐ大震災の発生により、地震保険の加入率は年々上がっては来ているものの、2018年度の付保率は65.2%(損害保険料率算出機構のデータより)というように、まだ35%は加入していないというのが現状です。

実は地震による被害は、火災保険では補償されないことをご存じでしょうか。

つまり、地震により建物や家財に被害が遭っても、地震保険に加入していない限り十分な補償はされないのです。

したがって、「一人暮らしでほとんど家財がない」という方以外、基本的に地震保険には加入した方がいいと思います。

 

そんな地震保険は、いったいどんな保険なのでしょうか。

地震保険は、保険会社が単独で運営しているわけではなく、政府と共同で運営されている保険です。いざ大きな地震が起こった時は、巨額の保険金の支払いが想定されます。

そんな時に保険金の支払いがスムーズに行われるように、政府がバックアップすることを法律で定めているのです。そのため地震保険はどこの保険会社で加入したとしても、補償内容や保険料は同じとなっています。

 

また地震保険は火災保険とセットで加入するようになっており、単独では入れないようになっています。

しかも地震保険が付けられるのは、「居住用の建物」と「生活用の動産(家財)」に限定。

さらに、保険金額にも上限が設けられています。建物は5000万円まで(1敷地内・1被保険者につき)、家財は1000万円まで(1敷地内・1世帯につき)です。

 

地震保険は途中で付けられる?

先述の通り、地震保険は火災保険とセットで加入できる保険です。

基本的には火災保険と地震保険の保険期間は統一させる必要があるのですが、地震保険は、途中で付けることも可能です。

「やっぱり入りたい」という方は、保険会社に問い合わせてみて、必要な手続きを行いましょう。

 

地震保険の保険料を節約するポイント

実は地震保険は、保険料が高い保険として知られています。しかも、近年は保険料が上がっている傾向にあります。

とはいえ地震保険には、割引制度が多数あり、建物の免震や耐震性能に応じて割引を受けることが可能です。

なお、割引は4種類ありますが、適用できる割引は一つのみ(重複不可)となっており、建物の性能などを客観的に評価できる確認資料を提出します。

 

【地震保険の割引の種類】

  • 免震建築物割引…割引率50%

「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく「免震建築物」である場合に割り引ける

  • 耐震等級割引…耐震等級1は10%、耐震等級2は30%、耐震等級3は50%

住宅性能表示制度の「耐震等級1、2、3」に該当している場合。また、国土交通省の指針に基づく耐震等級を有している場合も含まれる

  • 耐震診断割引…割引率10%

免震診断・耐震改修より、耐震基準を満たしている場合

  • 建築年割引…割引率10%

1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物に適用

 

まとめ

ちょっと面倒と思うかもしれない火災保険の見直し。

でも見直すことで、驚くほど保険料を節約できることもあります。当コラムをお読みになり、「我が家の火災保険はどうなのかな?」と思った場合は、ぜひ見直しをしてみてください。

最近はネット損保の火災保険も充実してきています。いろいろ比較しながら、自分に合った保険を選んでみましょう。

 

 

この記事を書いた人

小沢 美奈子
小沢 美奈子
ファイナンシャルプランナー。K&Bプランニング代表。大学卒業後、損害保険会社やFP事務所等を経て独立。Webや書籍などでの記事の執筆、セミナー講師、家計相談を行う。趣味はカメラ。2019年10月11日に、これまでの節約方法を覆す驚きのハウツー本、著書『本物の節約・残念な節約』が発売。

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