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会社員の経費「特定支出控除」とは?確定申告で経費計上して節税対策!

わたる
ライター/ファイナンシャルプランナー

わたる

会社員の方で、「会社員は、自営業者のように経費が認められないので損だ」と、思っている人もいるのでは?

実は「特定支出控除」を使えば、会社員でも経費を計上できます。しかし、確定申告などの手続きが必要です。

そこで本記事では、特定支出控除の内容や、どのくらい節税できるか、特定支出控除を受ける方法について解説します。

会社員の節税対策を知りたい人は、ぜひ本記事を読んでみてください!

会社員が知っておくべき「特定支出控除」とは

会社に関連する支出を「経費」として控除できるのが、特定支出控除です。

会社にとって業務に必要とされるのに、会社が支払わず、自己負担している費用が対となります。

いったん自分で立て替えて、最終的に会社から支払われるものは対象外です。

特定支出控除の覚えておきたいポイントは、以下の通りです。

  • 特定支出控除額は、税金を計算する前の「所得」から差し引ける
  • 特定支出控除の対象額:「給与所得控除額」の1/2を超えるもの
  • 会社の許可と確定申告が必須

特定支出控除額は、税金を計算する前の「所得」から差し引けます。所得が少なくなった分、課税される税金を安くできます。

会社員は、毎月「給与所得控除」が適用され、一定額を控除したのちに、納めるべき税金を計算します。

そのため、「特定支出控除」をいくらまで利用できるかは、「給与所得控除」がいくらになるか、知っておく必要があります。

また、「特定支出控除」は、自動的に控除されません。会社の許可・手続きを経てから、確定申告を必ず行うことが必須です。

マネオ
次の項目で、特定支出控除の対象となる支出には、どんなものがあるか紹介します!

特定支出控除に認められる範囲

「特定支出控除」に認められる支出の範囲は、会社員が普段から接しているものばかりです。

日常的に使っている支出はないか、今一度確認してみてください。

  • 通勤費
  • 職務上の旅費
  • 転居費
  • 研修費
  • 資格取得費
  • 帰宅旅費 
  • 勤務必要経費

それぞれの費用について、順に説明していきます。

通勤費

通勤費は、その名の通り、交通機関を利用した通勤のために支払う費用です。

会社から「通勤手当」を超えて自己負担している分を、経費として計上できます。

通勤にかかる費用は、一般的に「通勤手当」として会社側から支給され、非課税の手当として扱われています。

しかし通勤手当は、「給与の一部」として支払われるため、雇用保険料や社会保険料の計算に含まれます

そのため、税金は安くなりません。

しかし、特定支出控除は、税金を計算する前に差し引けるので、雇用保険料や社会保険料の計算に含まれず、課税額が減ります。

マネオ
マイカー通勤でも、高速代や燃料費を通勤のために自己負担している場合は、経費として計上できます!

職務上の旅費

職務を遂行するため、普段勤務している場所以外で仕事をする際に、かかった旅費も経費として計上できます。

経費となる旅費としては、

  • 電車代
  • バス代
  • 新幹線代
  • 航空券代
  • 接待ゴルフ代
  • ガソリン代
  • 高速道路料金

などが挙げられます。

すべてが認められるわけでなく、旅行にかかる運賃、時間、距離などに照らして、もっとも経済的かつ合理的と認められる経路を、利用した場合に限られます。(出典:国税庁

転居費

転勤に伴う転居のためにかかった運賃や宿泊費用、家財の運送料を個人で負担した場合も、経費に含めることができます。

またその他にも、

  • 荷物の梱包のための材料
  • 運送に伴った損害保険料

なども経費にできます。

研修費

仕事に必要な、技術や知識を修得するための研修費や、研修を受ける際の交通費も経費に計上できます。

研修費は会社側が負担するケースがありますが、自己負担の場合は経費になります。

ただし、業務に直接必要ではないと、対象にはなりません。

例えば、製造に関わる職種の人が税務関係の研修を受けても、直接業務に必要でないので対象外です。

資格取得費

自動車免許、英語検定、簿記検定など、仕事に直接必要な資格取得のための費用も、経費にできます。

例えば、経理職であれば、職務上、簿記の資格は直接必要となりますが、製品の製造に関わる人にとっては、簿記の資格は必要と認められません。

また、「教育訓練給付金」などの支給を受けた場合は、給付金の額を除きます。

なお、平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士、医師、歯科医など、士業に関わる資格取得の費用も、経費に計上可能になりました。

帰宅旅費

単身赴任社などの勤務地から、自宅に帰宅するための旅費も、特定支出に該当します。

ただし、

  • 一カ月に4往復を越えた分の帰宅費用
  • グリーン車、ファーストクラスの利用

などの場合、対象外となります。

勤務必要経費

勤務必要経費とは、仕事をするために直接必要な支出です。

  • 職務に必要な専門書
  • スーツ、制服、事務服
  • 自社が取り扱うメーカーの衣服
  • インターネット上に掲載されている有料記事

など、仕事に直接必要なものならば経費にできます。(出典:国税庁

一方で、次の場合は該当しないとしています。

  • 職務に関係ない専門書
  • リモートワークのための机・椅子・インターネット回線費用

リモートワークを導入する企業も増えているので、法改正を期待したいところです。

なお、勤務必要経費の上限は、65万円と定められています。

会社員は特定支出控除でどれくらい節税できる?

特定支出控除で、どれだけ税金は安くなるのでしょうか。

「年収500万円の会社員(既婚)」のAさんが、100万円分の特定支出をしたケースを想定して、シミュレーションを行いました。

給与所得控除を算出する

特定支出控除額を算出するために、まずはAさんの「給与所得控除」を算出してみます。

Aさんは、年収500万円なので、給与所得控除の額は以下のように計算されます。

  • 500万円×20%+44万=144万

特定支出控除の対象額は、給与所得控除額の1/2を超えるもの(最高125万円)なので、72万円の支出が対象になります。(144万円÷2=72万円)

例えば、Aさんの特定支出額が100万の場合は、72万分を超えた支出分の28万円が対象になります。

所得税額を算出する

給与所得控除、特定支出控除、これに加えて誰でも受けられる「基礎控除」を差し引くと、Aさんの課税所得が分かります。

  • 年収500万円-144万円(給与所得控除)-28万円(特定支出控除)-48万円(基礎控除)=280万円(課税所得)

課税所得額に税率をかけて、所得控除を差し引けば、Aさんの所得税額(税金)が算出されます。

引用:国税庁

課税所得が280万円の場合は、所得税率は10%で控除額が97,500円となります。

つまり、特定支出の控除後の所得税の額は、280万円×10%-97,500円=182,500円となります。

特定支出によって節税できた金額は?

特定支出控除を差し引かない所得税も、前述のように計算していきます。

その結果、210,500円となりました。

つまり、

  • 210,500円(特定支出控除がない場合の所得税)-182,500円(特定支出控除がある場合の所得税)=28,000円

となります。

つまり、Aさんの場合は、100万円の特定支出に対して、特定支出控除できるのは28万円で、28,000円分の税金が安くなることが分かりました。

特定支出控除の注意点5つ

ここまで見てきたように、節税もできる特定支出控除ですが、いくつか注意しなければいけないポイントもあります。

認められないケースもある

特定支出控除として認められるのは、あくまで仕事に必要とされる費用のみです。業務に関係ない支出であれば、認められません。

以下のような支出は注意しましょう。

  • 観光費用
  • 職務に直接関係ない研修費用
  • 文房具等の消耗品の購入のための費用
  • 一般日刊紙やスポーツ紙の購入費

(出典:国税庁

また「勤務必要経費」に関しては、控除対象限度額が65万円に設定されているので、これ以上は控除の対象にならないことも注意しましょう。

全額戻ってくるわけではない

さきほどシミュレーションしたように、28万円分が特定所得控除の対象額だとしても、28万円分がそのまま戻ってくるわけではありません。

ですので、特定支出控除を受けるために支出を増やすのではなく、あくまでも「本当に必要な支出」のみに留めるべきです。

支出額に対しての節税効果が高くない

前述の特定支出控除のシミュレーションでは、100万円の支出に対して、28,000円税金が安くなる計算でした。

ですので、「たった28,000円しか節税できないのか・・・」と思った方もいるでしょう。

このように、節税効果はそこまで大きいものではないので、「少し税金を安くできる」程度に考えておいたほうがいいでしょう。

会社に手続きの依頼が必要

特定支出控除を適用するためには、給与を支払う会社に対して、「仕事に必要な支出である」と証明してもらわなくてはいけません。

手続き自体は簡単で、提出書類に会社側のハンコをもらえれば、それが証明になります。

ただし、会社に依頼が必要になるため、人によっては、精神的な負担が生じることがあるでしょう。

手続きに手間がかかる

特定支出控除を利用するには、領収書などの書面を支払い先に求めたり、支出項目が業務に必要であるという証明を、勤務先にもらったりする必要があります。

また、最後に自分で確定申告をしなくてはいけません。

このように、いくつかの手続きが必要になるため、手間がかかります。

特定支出控除を受ける方法

ここからは、実際に特定支出控除を受けるまでの流れを、簡単に解説していきます。

控除を受ける手順は以下の通りです。

step
1
必要書類を集める

step
2
書類に記入して会社に提出する

step
3
確定申告の書類を作成する

では、これらについての詳細を説明していきます。

必要書類を集める

特定支出控除を受けるために必要な書類は、以下の通りです。

  • 給与所得の源泉徴収票(会社に請求する)
  • 給与所得者の特定支出に関する証明の依頼書(国税庁HPからダウンロードする)
  • 給与所得者の特定支出に関する明細書(国税庁HPからダウンロードする)
  • 特定支出の領収書、支出した金額を証する書類など

「給与所得者の特定支出に関する証明の依頼書」は、特定支出ごとに用紙があります。必要なものを、ダウンロードしてください。(参考:国税庁

書類の準備に自信がない人は、管轄の税務署の窓口・電話に相談しながら進めるとよいでしょう。

書類に記入し会社に提出する

次に「特定支出に関する証明の依頼書」に、必要事項を記入して、会社に証明書欄に捺印を依頼しましょう。

確定申告の書類を作成する

特定支出控除を受けるには、確定申告が必要です。

確定申告とは

1年間(1月~12月31日まで)の収入にかけられる税金を計算して、国に納めるべき税額を報告する手続のこと

確定申告は、原則、翌年の2月16日~3月15日の間に実施されます。

確定申告書に、特定支出に関する項目があるので、抜け漏れのないよう記載しましょう。

また、以下の書類を添付する必要があります。

  • 「給与所得の源泉徴収票」
  • 「給与所得者の特定支出に関する証明の依頼書」
  • 「給与所得者の特定支出に関する明細書」

「搭乗・乗車・乗船に関する証明書」「特定支出の領収書」に関しては、添付か提示で対応できます。

おわりに

今回は、特定支出控除について解説してきました。

特定支出控除は、通勤費や職務上の旅費など、普段会社員が利用している支出を経費に算出できます。

会社員の節税の1つの方法として、ぜひ頭に入れて置きましょう。

控除を受けるには、確定申告や書類の提出などが必要になるので、事前に把握しておいてくださいね。

この記事を書いた人

わたる
わたる
埼玉出身のアイドルオタク。大学時代は就活に失敗してフリーターになってしまう。
その後一時は就職するも仕事を辞め、現在はフリーライター。
推しメンに多く会い行きたいという思いから節約を始める。そのなかでFPの資格も取得。
オタク活動費は必要経費。推しメンの笑顔はプライスレス。

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