コラム

投稿日:2019年12月8日 更新日:

会社員の年末調整を知りたい!還付で確実にお金をもらうには?確定申告は必要?

わたる
ライター/ファイナンシャルプランナー

わたる

12月といえば「年末調整の季節だな」と感じる人もいるのでないでしょうか。

この時期、

「年末調整でどのくらいの税金が控除される?」
「夫の会社の年末調整が複雑で難しい」

と何かと気になりますよね。

年末調整は様々な控除項目があり、申請すればお金が戻ってくることもあります。

今回は、会社員の年末調整の仕組みや還付金について、また確定申告の申請でおトクになる方法も説明していきます。

「夫の年末調整について詳しく知りたい!」と考える主婦の方はぜひ参考にしてみて下さい。

 

会社員の年末調整とは

会社が従業員に月々の給与を支払うときに所得税を控除するのが「源泉徴収」ですが、源泉徴収で計算された所得税はあくまでも概算になるので、実際の所得税額とは異なります。

このような実際の税額との差異を調整し直すのが「年末調整」になります。

ポイント

  • 源泉徴収された額が多い→払いすぎた分の税金が還付される
  • 源泉徴収した分が少ない→少ない分の所得税を払わなければない

↓パート・アルバイトの年末調整については以下の記事が参考になります!

【2019年版】パート・アルバイトの年末調整の書き方を徹底解説!

はじめに 今年も年末調整の季節がやってきましたね! 会社員が年末調整をするように、パートタイマーやアルバイトも年末調整が ...

 

会社員が年末調整でもらえる還付金とは?  

ここからは、所得税を払いすぎた場合に発生する還付金(戻ってくるお金)について説明をしていきます。

この項目は会社員(給与所得者)向けの内容となっています!

 

還付金の額は「所得控除(課税される所得の控除)」によって異なる  

年末調整で受けることができるのが「所得の控除」です。これは、会社員(給与所得者)が納税額を低く抑えるためには欠かせません。

控除にはいくつか種類があり、

  • 配偶者控除
  • 社会保障控除

など、それぞれに控除できる金額が異なります。

ですので自分の状況と照らし合わせて、どのくらい控除されるのか確認してみましょう。

控除できる種類・概要について先に知りたい方はこちらから。

 

還付金が支払われる時期はいつ? 

還付金が支払われるのは、年末調整が終わってからになります。

速ければ12月中、遅ければ1月の下旬に支払われるそうです。

会社によっては、現金で手渡されることもあるようです。

 

給与明細に「年末調整還付」「所得税還付」という欄がある

給与明細には「年末調整還付」「所得税還付」という欄があるので、ここから年末調整でどれだけ還付・徴収されたかを確認できます。

該当する欄がない場合には、会社の経理担当に問い合わせてみましょう。

↓給与明細の見方については以下の記事が参考になります。

給与明細の正しい見方とは?3つの項目をわかりやすく解説

皆さんは給与明細の正しい見方を知っていますか? ほとんどの方は手取り金額に注目しているかと思います。 自分も会社に勤めて ...

 

年末調整の還付を受けられる人   

会社員であっても、所得税の還付は全員が受けられるわけではありません。

年末調整の還付を受けられる人

  • 個人で保険に加入している人
  • 個人型確定拠出年金(イデコ)に加入する人
  • 社会保険料を自分で払った人
  • 配偶者と離婚または死別した人
  • 年の途中で扶養する家族が増えた人  
  • 本人または家族が障害者  

上記の対象者について詳しく解説していきます!

 

個人で保険に加入している人   

  • 生命保険
  • 医療保険
  • 学資保険
  • 個人年金保険
  • 介護保険
  • 地震保険

これらに個人で加入している場合は生命保険料控除、地震保険控除によって控除が受けられます。

家族分の保険料も夫が負担していれば、それも控除の対象になり節税効果があります。

 

個人型確定拠出年金(イデコ)に加入する人

iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している人は、「小規模企業共済掛金控除」の対象になります。

 

社会保険料を自分で払った人   

納税者本人だけでなく、配偶者やその他家族にかかる社会保険料(国民健康保険、健康保険、国民年金、厚生年金保険、介護保険、国民年金基金、厚生年金基金の掛け金)は控除が可能です。

家族の分の保険料も夫が負担していれば、社会保険料の控除の対象になるので節税になります。

 

配偶者と離婚または死別した人  

配偶者と離婚した人や死別したあと結婚してない人は、扶養している人の有無や所得金額の条件を満たしていれば寡婦(夫)控除の対象になります。

ただし寡婦(夫)であることをすでに会社に申請している人は、その分、月々の所得税額が減らされていて、還付金としてもらえない可能性もあるので注意しましょう。

 

年の途中で扶養する家族が増えた人   

  • 年の途中で結婚して妻になり扶養内に入った
  • 年の途中で子供が16歳以上になった

以上の場合も控除の対象になります。

妻で扶養内に入って入れば、配偶者控除・配偶者特別控除が受けられます。

子が16歳以上になった場合は、扶養控除が受けられます。

 

本人または家族が障害者   

自分自身や扶養している家族、配偶者が障害者という場合は「障害者控除」が受けられます。

ただし、会社にすでに「配偶者控除」の対象であることを伝えている場合は、月々の所得税の計算の時点で差し引かれている可能性があります。

 

会社員が年末調整で還付金を確実に受け取るための注意点   

還付金があるとなれば、きっちり全額もらいたいですよね。

ここからは、年末調整に関わる注意点について説明をしていきます。

 

申告書を間違えずに書く   

当然の話ですが、年末調整の申告書は、見落とし、書き漏れ、書き間違いなどのミスがないように記入しましょう。

訂正する際は修正ペンは使えません。

 

申告書の正しい訂正方法

  1. 間違えた個所に二重線を引く
  2. 二重線の上(または下)部分に正しい情報を記載
  3. 二重線と重ねて訂正印を押す

ポイント

各種申告書の書き方は国税庁のホームページに見本があります。

慌てずに最初に確認してみましょう。

 

控除申告書を忘れずに提出する   

会社は控除申告書に基づいて所得税を再計算するので、提出するのを忘れてしまうと、もらえるはずの還付金がもらえないことになります。

忘れずに必ず提出するようにしましょう。

申告書を出す前の11月ごろに、加入している保険会社の「控除証明書」などの必要書類の提出が求められます。

 

所得税の支払った額、支払われた額に注意する

還付金で払い過ぎた税金を取り戻せるのは、月々控除されていた所得税の金額よりも、実際に払うべき所得税額が少ない人に限ります。

年末調整をしても還付金がなぜか返ってこなかった、少なかったという場合は、一度会社に確認してみましょう。

 

年末調整を受けても確定申告が必要な会社員

「年末調整がやっと終わった!」と安心したのもつかの間、翌年に確定申告をしなくてはいけないケースも。

確定申告が必要なケースは以下の通りです。

 

年間の収入金額が2,000万円を越えている

会社員としての給与所得が2,000万円以上越えている場合は、年末調整ができません。

自分で確定申告を行いましょう。

 

給与所得・退職所得以外の所得が20万以上ある場合

給与所得・退職所得以外の収入、例えば副業(アルバイトやパート)、株式売買、業務委託(クラウドソーシングや内職など)での収入が20万円以上あるという場合は、自分で確定申告をしなければなりません。

20万円ルール」といって、副業の収入が「売上-経費」で20万以上である会社員は注意しましょう。

 

給与を2か所以上受けており、本業以外で20万の収入を得ている場合

給与を2か所以上受けている場合は、本業以外の所得が20万を越えている場合、確定申告の対象になります。

逆に本業(会社)で年末調整が終わっていて、本業以外の収入が20万以下であれば確定申告は必要ありません。

しかし、

  • 医療費控除
  • ふるさと納税(ワンストップ特例申請対象外)
  • 雑損控除
  • 初年度の住宅ローン控除

などで別途確定申告をする場合は、「副業20万円ルール」は対象外となります。

この場合、副業の収入が1円でもあれば確定申告が必要です。

 

その他にも条件がある

他にも以下の場合も確定申告の必要なケースになります。

  • 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子・資産の賃貸料などを受け取っている場合
  • 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  • 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
  • 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、そぜ税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

引用:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁より

 

確定申告をするとおトクかもしれない会社員

義務ではないけれど確定申告をすることで、おトクになる会社員もいます。

なぜなら、年末調整では控除できる項目が限られているので、確定申告をすることで税金が変動することもあるのです。

 

ふるさと納税をした場合

ふるさと納税で、ワンストップ特例制度を利用しない場合は、確定申告をすると所得税と住民税が控除されます。

控除を受けるには、税務署に「寄付金受領証明書」を確定申告書と共に提出しましょう。

 

ワンストップ特例制度をする場合

ワンストップ特例制度とは、「一年間の寄付先が5自治体までならば、確定申告なしに控除が受られる」という仕組みです。

ただし、一年に6自治体以上ふるさと納税を行うと、ワンストップ特例制度は受けられず確定申告が必要です。

ふるさと納税のワンストップ特例制度の詳しい内容は↓が参考になります。

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住宅ローン控除を受けたい場合

住宅ローン控除1年目のみ確定申告が必要です。

2年目以降であれば年末調整で手続きできるので、確定申告は必要ありません。

 

どれだけおトクになるの?控除率と控除期間について

住宅ローン控除は、居住年が平成26年1月~令和3年12月の期間で控除率は1%、控除期間は10年間となっています。

原則として住宅ローンの年末残高限度額は、一般住宅で4,000万円、認定住宅で5,000万円という条件があります。

例えば、3,000万円の住宅ローンを組んだとなると、30万円1年で控除される計算になりますね。

 

医療費控除を受けたい場合

医療費控除を受けるには確定申告をする必要があります。

確定申告時に、その年中に支払った医療費控除の明細を添付しましょう。

 

医療費控除の計算方法

医療費控除の計算方法

支出した医療費の額-保険金等の額(健康保険や生命保険などの給付金)-10万円

となります。

10万円と書いてありますが、課税標準の合計が200万未満の場合は「課税標準×5%」となります。

※課税標準とは、「税金を計算する際の算定基準」のこと。

所得税ならば課税標準は所得にあたります。

 

税制対象のOCT医薬品を1万2000超購入したとき

税制対象のOCT薬品を12,000円以上を購入したときは、その超える分の金額を控除してくれます。(上限は88,000円)

 

家族にフリーランス・自営業の人がいる場合

フリーランスや自営業者の場合、会社員と違って所得の変動が年によって大きい可能性があります。

そのため、配偶者(夫)の会社が、年末調整の際に配偶者控除と配偶者特別控除などを行ってくれないケースも。

もしこれらの控除が受けられない場合は、確定申告で控除の申請をしましょう。

ただし、家族の収入(売上-経費)が130万円以上だと控除の対象外となります。

 

年末調整の後に結婚した人

年末調整のあとに結婚すると、新たに扶養控除、配偶者控除の対象になる可能性があります。

年末調整では控除できないけれども、確定申告ならば控除額が戻ってくる可能性があります。

ただし、配偶者の年収が130万円以上で青色申告や白色申告をしている場合は、控除の対象になりません。

 

年末調整に必要な書類と控除できるもの【会社員の場合】

最後に、年末調整に必要な書類について説明をしていきます。

必要な書類は以下の通りになります。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書  
  2. 給与所得者の配偶者控除等申告書
  3. 給与所得者の保険料控除申告書

それでは順にこれらの書類でどんな控除ができるのか?対象者や控除金額について説明をしていきます。 

 

1.給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書  

自身の収入に対して、扶養控除・障害者控除を受けるために必要な書類です。

養う家族が入る場合には税金の負担が軽減できます。

控除できる項目は、

  • 基礎控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • 勤労学生控除

になります。

 

基礎控除とは

基礎控除とは誰でも条件なく適用できる控除です。

これまで控除額は38万円でしたが、

令和2年分からは基礎控除額は48万円となります。

ただし合計所得金額が2,400万円を越える場合は、所得金額に応じて控除金額が減額になります。

 

扶養控除とは

扶養控除とは「控除対象扶養親族」がいる場合に適用できる控除です。

控除対象扶養親族とは

納税者本人と生計を一にする配偶者以外の親族(青色事業専従者と専業専従者は除く)のこと。

対象年齢は16歳以上です。16歳未満の場合は子ども手当があります。

配偶者以外の親族なので、対象者は子供と既に仕事を退職した親になります。

70歳以上は同居でなくても適用の範囲ですが、その親族の合計所得金額が38万円以下であることが条件です。

対象年齢控除金額
16歳~19歳未満38万円
19歳~23歳未満63万円
23歳~70歳未満38万円
70歳以上58万円(同居家族)48万円(それ以外)

以上のように年齢によって控除できる金額が違います。

 

障害者控除とは

納税者本人が障害者である場合、同一生計配偶者や親族が障害者である場合に適用可能です。

以下のように一般障害者と特別障害者(障害等級1級、2級)でもらえる金額が違います。

対象者金額
一般障害者27万円
特別障害者(障害等級1級、2級)40万円(同居特別障害者以外)
同居特別障害者75万円

 

寡婦(夫)控除とは

寡婦(寡夫)控除は、

  • 納税者本人が寡婦(夫と死別した妻)
  • 寡夫(妻と死別した夫)

の場合に適用されます。

控除金額は原則として27万円です(条件により35万円)

寡婦控除が受けられる要件については次のリンクから確認してください。

No.1170 寡婦控除|所得税|国税庁

 

勤労学生控除とは

勤労学生控除は、納税者本人が勤労学生(一定の学生であり、合計所得金額が65万円以下である人)である場合に適用されます。

控除金額は27万円でしたが、

令和2年から合計所得金額75万円以上に引き上げられます。

 

2.給与所得者の配偶者控除等申告書

給与を受ける人が、年末調整において配偶者控除・配偶者特別控除を受けるために必要な書類です。

夫も妻も入力する項目があります。

以下にて配偶者控除と配偶者特別控除について説明していきます。

 

配偶者控除とは

配偶者控除とは、控除対象配偶者がいる場合に適用可能な控除です。

納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合の控除金額は、

  • 38万円(控除対象配偶者)
  • 48万円(老人控除対象配偶者の70歳以上)

となります。

控除対象配偶者が対象となる要件は次のリンクから確認してください。

No.1191 配偶者控除

納税者の所得の合計金額が900万円を越えると、以下のように段階的に控除金額が少なくなります!

納税者本人の合計所得金額控除対象配偶者老人対象配偶者
900万円以下38万円48万円
900万円超 950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円

 

配偶者特別控除とは

配偶者特別控除とは、配偶者控除の対象にならない場合で、以下の要件を満たした場合に適用される控除です。

  • 納税者本人と生計を一にする配偶者(青色事業専従者と事業専従者は除く)
  • 配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下であること(令和2年から48万円超133万円以下となる)
  • 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること

最高控除金額は38万円です。

配偶者の合計所得金額と納税者本人の合計所得金額で控除金額が決められます。

 

3.給与所得者の保険料控除申告書

給与の支払いを受ける人が、年末調整にて生命保険料や地震保険料などの保険料控除を受けるために必要な書類です。

民間の生命保険や医療保険に入っている場合は、この書類を提出することで控除が受けられます。

この書類で控除できるのが、

  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除

の4つです。

家族の分も控除できます。

 

生命保険料控除

生命保険料控除では、

  • 生命保険
  • 医療保険
  • 学資保険
  • 個人年金保険
  • 介護保険

これらの保険料が所得税と住民税から控除されます。

平成24年以降の契約ならば、以下のように控除されます。

 所得税住民税
一般の生命保険料控除最高40,000円最高28,000円
個人年金保険料控除最高40,000円最高28,000円
介護医療保険料控除最高40,000円最高28,000円

生命保険料で控除できる保険の種類は、一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3つです。

 

地震保険料控除

地震保険料の控除額は、所得税と住民税から控除可能です。

  • 所得税の最高控除額は最高50,000円
  • 住民税の最高控除額は最高25,000円

 

社会保険料控除

社会保険料控除は、納税者本人または生計を一にする配偶者その他の親族の、

  • 国民健康保険
  • 健康保険
  • 国民年金
  • 厚生年金保険
  • 介護保険

などの保険料や、

  • 国民年金基金
  • 厚生年金基金の掛け金

などの社会保険料を支払った場合に控除されるものです。

控除金額は全額に適用されます。

ただし介護保険のみは、妻の公的年金から介護保険料が控除されている場合、夫の社会保険料控除では控除できません。

 

小規模企業共済控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入している人は「小規模企業共済掛金控除」の対象になります。

全額が控除の対象になります。

 

おわりに

ということで、会社員の年末調整やそこで受けられる還付、確定申告についても説明をしました。

年末調整の書類は控除項目をしっかり記入することで、お金が戻ってくる可能性もあるので不備のないようにしましょう。

また、会社員でも確定申告を申請すればおトクになる場合があるので、対象者は忘れず手続きしてくださいね。

 

この記事を書いた人

わたる
わたる
埼玉出身のアイドルオタク。大学時代は就活に失敗してフリーターになってしまう。
その後一時は就職するも仕事を辞め、現在はフリーライター。
推しメンに多く会い行きたいという思いから節約を始める。そのなかでFPの資格も取得。
オタク活動費は必要経費。推しメンの笑顔はプライスレス。

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