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家を買うのに適した年齢は?家を建てる年齢について解説

矢野翔一
宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー

矢野翔一

収入の増加や結婚といった環境の変化をきっかけに、家の購入を検討している人も多いと思います。

しかし、家の購入にはお金がかかるため、収入が少ないと家計を圧迫します。

そのため、収入が安定してから家を購入した方が良いと言えますが、適した年齢はあるのでしょうか?

今回は、そんな疑問を抱いている人に向けて家を買うのに適した年齢が何歳くらいなのか解説します。 参考にしてみてください。

 

家を購入するのに20代は早い?

住宅ローンの契約期間が最長どのくらいなのかご存じでしょうか?

住宅ローンの契約期間は最長35年です。 退職までに完済することを考えて逆算すると、20~30代で家を購入することになります。

「20代で家を購入するのは早いのでは?」と感じた人も多いと思いますが、本当に20代で家を買うのは早いのでしょうか?

20~30代の主なライフイベントにかかる費用と家を購入する際にかかる費用について見ていきましょう。

 

20~30代の主なライフイベントにかかる費用

人生には数多くのライフイベントがあり、それらのライフイベントにはある程度の支出を伴います。

20~30代に発生する主なライフイベントは以下の通りです。

  • 結婚
  • 出産
  • 子供の進学
  • 住宅の購入

まずはそれぞれのライフイベントにかかる費用について解説します。

 

結婚の費用

ゼクシィが行った「2018年結婚トレンド調査」によると、結納・結婚から新婚旅行までの費用総額は約467万円となっています。

結婚式に参加した人や周りから祝儀をもらったとしても、全額を補うことはできません。

祝儀をあてにするのではなく、費用を決めて計画的に貯めておくことが重要です。

 

出産の費用

出産と一口に言っても、出産までの検査費用、出産時の入院料、室料差額、分娩料といった費用がかかります。

公益社団法人国民健康保険中央会の「出産費用(平成28年度)」という調査結果によると、出産費用総額は約51万円です。

帝王切開の場合は健康保険を適用できますが、正常分娩は全額自己負担です。

しかし、健康保険に加入している場合は、出産育児一時金として子供1人につき42万円を受け取ることができます。

とは言っても、事後払い方式では一度自己負担となるため、立て替え費用を準備する必要があります。

直接支払制度を利用すれば窓口での負担はありません。

しかし、42万円を超えた場合は、超えた部分が自己負担となるため、ある程度出産費用を貯めておくことをおすすめします。

 

子供の進学費用

幼児教育の無償化によって、2019年10月より幼稚園や保育所、認定こども園を利用する3~5歳は利用料が無料になりました。

そのため、子供の進学費用の負担は少し軽減されたと言えます。

しかし、子供の進学は公立に通わせるか、私立に通わせるかによって大きく異なります。

幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立大学に通った場合の子供1人あたりの教育費用は約1,049万円です。

子供の数が増える、小学校・中学校・高校を私学に通わせる場合には、さらに教育費用がかかります。

そのため、余裕を持って教育費用を貯めておくことが重要と言えるでしょう。

 

住宅の購入費用

ライフイベントの中で最も支出が多いのが住宅の購入です。

住宅金融支援機構が実施した「2017年度フラット35利用者調査」では、建売住宅の費用は約3,340万円、マンションは約4,350万円です。

あくまでも平均であるため、都市部なのか、地方なのかによって大きく異なります。

ただし、費用がかかることに変わりはないため、ある程度の資金を準備しておくことが重要です。 これらの支出を補うことができる収入がある場合には問題ありません。

しかし、妻が妊娠・出産で働けなくなくなると収入が不安定になる可能性もあります。

そのため、20代で家を購入すると支出の増加に収入の減少も加わって家計が不安定になる可能性が高いと言えます。

早く家を買うと早く返済を終えることができますが、返済が滞っては意味がありません。

無理に20歳で家を買おうとするのではなく、資金に余裕ができてから買うことをおすすめします。

 

家を購入する際の頭金を考慮する必要がある

家を購入する際には住宅ローンを利用できます。

家を購入する際にかかる費用を全て借りることも可能ですが、頭金ゼロでは返済額が多くなります。

また、頭金がないと金融機関の印象が悪くなって融資審査に通りにくくなる可能性も。

そのため、頭金を拠出して住宅ローンの返済総額を抑える、融資審査に通る可能性を上げる必要があります。

これらを踏まえると、収入や貯金額が少ない20代で家を購入するのはなるべく避けた方が良いと言えるでしょう。

 

住宅購入に適した年齢と年収を統計から分析

収入がまだ少ない状況で支出を増やすと家計が不安定になるといった理由で、20代で家を買うのは早いという結論に至りました。

では、家を買うのは何歳が一般的なのでしょうか?

国土交通省が実施した「平成30年度 住宅市場動向調査報告書」の結果から、住宅購入に適した年齢と年収を分析してみましょう。

住宅購入に適した年齢とは

調査結果によると、注文住宅(新築)、分譲戸建、分譲マンションで20~40代が占める割合および平均年齢は以下の通りです。

 注文住宅(新築)分譲戸建分譲マンション
20代11.6%9.7%5.3%
30代43.7%51.7%49.5%
40代23.1%22.2%22.3%
平均年齢41.4歳39.7歳42.7歳

30代の占める割合は、どの建物においても50%前後と高い割合となっています。

また、注文住宅や分譲マンションは価格が高いため、平均年齢も高いという特徴があります。

一方、民間賃貸住宅の割合と平均年齢は以下の通りです。

 民間賃貸住宅
20代31.3%
30代28.2%
40代18.2%
平均年齢39.1歳

賃貸割合は年齢を重ねるとともに少なくなっていることを考えると、30代が家を買う時の一つの目安と言えるでしょう。

 

住宅購入に適した年収とは

調査結果によると、注文住宅、分譲戸建、分譲マンションを買う人の世帯年収の上位2つと平均世帯年収は以下の通りです。

 注文住宅(新築)分譲戸建分譲マンション
400~600万円26.0%26.5%16.0%
600~800万円25.7%23.1%20.7%
平均世帯年収705万円738万円840万円

 

一方、民間賃貸住宅の世帯年収の上位2つと平均世帯年収は以下の通りです。

民間賃貸住宅
400万円未満32.1%
400~600万円26.2%
平均世帯年収508万円

これらの結果を踏まえると、400万円以上の世帯年収が家を買う一つの目安と言えます。

しかし、ローンの返済に余裕を持つことを考えると、世帯年収600万円以上が良いと言えるでしょう。

 

マンション購入や戸建購入に年齢制限や年収制限はある?

家を買う時はある程度のお金が必要になるため、自己資金だけではとても足りません。

そのため、家を買う時は住宅ローンを契約するのが一般的です。

住宅ローンには年齢制限や年収によって融資額の上限が決まっています。 年齢制限や年収制限について見ていきましょう。

 

住宅ローンには返済期間の下限と上限がある

住宅ローンの1つ「フラット35」は、15~35年という返済期間の下限と上限が設定されています。

上限の35年で契約しようと思っていても、完済時の年齢が80歳と決まっています。

そのため、返済期間の下限と上限で考えると、45~65歳までにはローンを契約しなければなりません。

先ほどの調査結果を見ると、建物ごとの住宅取得借入金の返済期間は以下のようになっています。

注文住宅31.6年(建物)、33.7年(土地)
分譲戸建33.3年
分譲マンション33.7年

結果からは返済期間を長めに設定している人が多いことが分かります。

年齢を重ねてから家を買うと、返済期間が短くなって1回の返済額が大きくなる、退職後も返金が続くのでおすすめしません。

そのため、40代より30代で家を買った方が返済計画を立てやすいと言えるでしょう。

 

住宅ローンの融資額は年収によって決まる

住宅ローンを契約する際に最低年収がないか気になっている人は多いと思います。しかし、基本的に最低年収といった制限はありません。

ただし、年収に応じて契約できる融資額が異なります。

例えばフラット35は、年収400万円未満では返済負担率が30%以下、400万円以上では35%以下と決まっています。

返済負担率とは

「(年間返済額/12ヶ月)÷(世帯年収/12ヶ月)」で求められる、収入に対する返済額の割合です。

しかし、返済負担率の上限で融資を受けると返済負担が大きいと言われています。

そのため、住宅ローンを契約する際は年収の5倍程度を一つの目安にすることをおすすめします。

 

中古の住宅購入に注意

融資額が増えると返済負担が大きくなるため、中古住宅の購入を検討している人も多いと思います。

しかし、築年数の経過した中古物件では、返済期間も短くなって1回の返済額が大きくなる可能性があります。

また、控除といった特典も少なくなるので注意しましょう。

 

家を買うなら35~37歳くらいが理想

これまでの内容を振り返ってまとめると以下のようになります。

  • 20代で家を買うのは早い
  • 30~40代で家を買うのがおすすめ
  • 世帯年収600万円程度

これらを踏まえると、35~37歳が家を買う際の一つの理想と言えます。

その理由として以下の3つが挙げられます。

  • 夫の稼ぎが安定する
  • 妻が仕事に復帰する
  • 退職金で一括返済しやすい

それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

 

夫の稼ぎが安定する

家を買うことに不安を感じている人の中には、稼ぎが不安定になって返済が滞ってしまうことを心配している人もいます。

共働きによって世帯年収600万円を達成していても、妻の妊娠・出産で収入が減った場合は返済負担が重くのしかかることに。

しかし、20代は稼ぎが安定しませんが、30代になると役職がつくことも増えるので稼ぎが安定します。

その結果、妻が妊娠・出産によって働けなくなることで一時的に収入が減少しても、収入を返済に回す余裕が出ます。

これらを踏まえると、35~37歳が家を買うのに適していると言えるでしょう。

 

妻が仕事に復帰する

35~37歳というタイミングは、夫の稼ぎが安定するだけではありません。

出産や育児で仕事から離れていた妻が仕事に復帰して、収入が安定しやすくなるのも35~37歳と言えます。

例えば、28歳で1人目、30歳で2人目を出産した場合、35歳になる頃に1人目は小学校、2人目は幼稚園に通っている年齢です。

この計画通りに進めば、35~37歳には妻にある程度の時間の余裕が生まれます。

フルタイムの勤務は無理でも、パートやアルバイトでも十分住宅ローンの返済をサポートできます。

出産や育児で一時的に収入が減少していても、この時期には収入の安定が期待できるため、家を買う目安の一つと言えるでしょう。

 

退職金で一括返済しやすい

フラット35では完済時の年齢が80歳であるため、35年遡って45歳から住宅ローンで家を買ったとします。

金利1.2%、4,000万円の35年返済(元利均等返済)の条件で契約した場合、1回の返済は約11万7,000円です。

65歳を迎えて年金収入だけになってから、毎月この額の返済を続けていくことはほとんど不可能です。

仮に65歳を迎えた時点で退職金を使って一括返済したくても、残額が2,000万円弱なので現実的ではありません。

一方、35歳で住宅ローンを契約すれば返済完了が70歳なので、退職後の返済期間は5年で済みます。

残額は700万弱なので、貯金を切り崩しながら年金との両立で返済することも可能です。

また、退職金で一括返済すれば、年金を全額生活費に回すこともできます。

これらを踏まえると、35~37歳で家を買えば、退職後も無理なく返済しやすいと言えるでしょう。

 

まとめ

人生には数多くのライフイベントがあります。 結婚、出産、子供の進学、家を買うなどです。

これらのライフイベントには支出を伴うのが一般的ですが、その中でも最も大きな支出を伴うのが家を買うことです。

家を買う際には住宅ローンを利用できるため、自己資金が少ない状況でも家を買うことはできます。

しかし、収入が少ないにもかかわらず無理に家を買っても、家計が苦しくなってしまうだけです。

そのため、周りは何歳で年収がいくらくらいの時に家を買っているのかを把握することも重要です。

環境の違いはありますが、30代で世帯年収600万円以上を一つの目安に、家を買う計画を立ててみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

矢野翔一
矢野翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士。有限会社アローフィールド代表。自身の経験や保有資格の知識を活かしながらお金や住まいに関する情報を発信。

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