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ふるさと納税の返礼品には税金がかかる?一時取得の計算方法や申告について解説!

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全10回に渡って、ふるさと納税をわかりやすくたのしく解説しています。その第7回。

ふるさと納税といえば、星の数ほどもある返礼品の中から、気に入ったものを選ぶのがたのしいですよね。ただ、返礼品は、もらって終わりではありません。

モノをもらったら、所得に加算して税金を再計算し、税金を納めなければいけません。

つまり、あなたが会社員であれば、お給料から算出される所得に、返礼品の受取で発生する所得を加えます。

「どうして、現金をもらったわけではないのに、税金を納めるんだ!」と、憤る方もいるでしょう。しかし、それが日本の税金のルールです。

専門的表現では「包括的所得概念」といいます。難しいので覚える必要はありませんが、「担税力を増加させる経済的利益は、すべて所得」とされています。

ひらたくいえば、お金も所得、モノも所得、経済的利益(何かを無料で使えるなど)も所得だよ、という意味です。所得が増えれば、税金も増えます。

だから、ふるさと納税でモノをたくさんもらったら、お給料と合わせて確定申告をしなければいけません。

でも、所得税や確定申告について何も分からなければ、申告も計算もできません。これだけ知っておけば大丈夫というところを整理しました。


返礼品は一時所得

ふるさと納税の返礼品は、一時所得になります。お肉でも野菜でも、旅行券でもAmazonのポイントでも、一時所得です。

多くの人が会社からもらうお給料は給与所得です。所得には、それ以外に9種類あって、フリーランスの受け取る報酬が該当する事業所得や不動産賃貸にかかる不動産所得などがあります。

一時所得には、競馬・競輪・競艇といったギャンブルで得た利益、クイズの賞金、落とし物を拾って交番に届けて3ヶ月後にもらった場合や法人からもらったお金やモノなどがあります。

自治体からもらうふるさと納税の返礼品も、この一時所得に該当します。

そうなると、競馬でちょっと勝ったら、みんな確定申告が必要なのか、してない人間は脱税なのか、そう考える方がいるかもしれません。

もちろん、そんなことはなく、ほとんどの方が申告しなくても問題はありません。それは、一時所得には年間50万円の控除があるからです。

万馬券を当てても、払戻金から購入金額を引いた残りが、年間で50万円を超えていなければ、申告は必要ありません。これは競馬に限らず、競輪やクイズ、落とし物も同様です。

逆に、ふるさと納税の返礼品の価値が50万円を超えていれば、一時所得として申告しなければいけません。

実際に計算してみましょう。

一時所得の計算方法

ふるさと納税の返戻率が3割だとすると、返礼品の価値が50万円超えるのは、170万円ほどのふるさと納税をした場合になります。

返戻率というのは、寄付した金額に対する返礼品の価値です。

例えば、一万円のふるさと納税をすると、3000円程度の返礼品がもらえます。このときの返戻率が「3割」になります。

ただ、ふるさと納税をしても、必ず返礼品がもらえるわけではありません。返礼品を設定していない自治体もあります。

返戻率は、総務省が決めた上限であり、1割でも2割でも問題ありません。再三の指導にも関わらず3割を超えていた自治体は、ふるさと納税の制度から除け者にされてしまいましたが、低くとも問題ありません。

ふるさと納税による控除には、所得によって異なる上限があるので、その上限の範囲で寄付をすると考えると、年収がおよそ5100万円を超えた辺りから、一時所得の申告が必要になります。

日本の平均年収を考慮すると、申告の必要がある人はほとんどいません。しかし、ふるさと納税以外にも、一時所得に該当するものがあれば、それらを合算しなければいけませんので、注意が必要です。

なお、一時所得があったとしても、それをそのまま給与所得や事業所得と合わせて、所得税を計算するわけではありません。

なんと、一時所得の金額を1/2にすることができます。納税者にやさしいですね。

一時所得は、名前の通り「一時」の所得です。たまたま、偶然、ラッキーで得たような所得です。それに対し、仕事などと同じように課税するのは酷である、という考えからだと思われます。法律を作った人に会ったことがあるわけではないので、推測です。

みんな正しく申告しているのか

返礼品を正しく申告するかどうかは、税理士さんによっても異なるようです。

何人かに聞き取ったところ、返礼品の3割の金額を一時所得として申告する人もいれば、大した問題ではないと考えて何もしない人もいました。

ただ、ふるさと納税をしているということは、確定申告でそれについて記入しています。確定申告書を見れば「ふるさと納税をしている」と分かるわけです。

ワンストップ特例を使えば、確定申告ではふるさと納税をしているかどうかはわかりませんが、一時所得の申告が必要なくらいふるさと納税をしている人、つまりお金持ちは、6ヶ所以上に寄付をしているので、ワンストップ特例は使えません。

すると、必ず、確定申告書に記入することになります。

ふるさと納税で所得税の還付を受けようとしているのに、返礼品は申告しないなんて都合が良すぎる。やはり、返礼品も適正に申告しなければいけません。

みなさんも、一時所得が50万円を超えるようであれば、申告をお願いします。

ふるさと納税と税務調査

ふるさと納税の返礼品を正しく申告していなかったがために、税務調査が行われたという話は聞いたことがありません。もちろん、僕が聞いたことがないだけで、日本のどこかでは行われている可能性もあります。

ただ、他の申告漏れと異なり、ふるさと納税をした金額は予め分かっていて、返戻率はおよそ3割なので、本格的に調査をしなくとも、簡易な接触で、修正申告を促して終えることもありそうです。

前述のように、返礼品で申告が必要な方はお金持ちなので、自身で申告をせず、税理士さんに申告書の作成依頼をしているかもしれません。その場合は、税理士さんに電話連絡がいきます。

もし、この記事を見て、一時所得の申告をしなければいけないな、と考えた方は、一度、申告を済ませた年分でも、「修正申告」という形で申告できます。

期限は5年なので、5年経過していなければ、税務調査がなくとも自主的に修正申告をしましょう。

「確定申告書の控えもないし、源泉徴収票もないから年間の給与の金額が分からない。修正申告もできないよ」という方は、申告書を提出した税務署に行くと、提出済みの申告書を閲覧できます。

コピーはできませんので、そこで数字を写して、修正申告を行いましょう。書き方が分からなければ、その場で聞くと良いと思います。

ふるさと納税の返礼品を申告していなかった、修正申告をする、これらの理由で、税務署の職員が、嫌な顔をしたり怒ったりすることはありません。

優しく丁寧に教えてくれます。

税務署はみなさんの敵ではありません。

最後に

ふるさと納税の返礼品は、課税の対象となりますが、お金持ちとギャンブルで大きな利益を出した方以外は、それを確定申告することはほとんどありません。

安心して、上限の範囲で好きなだけ寄付して、好きなだけ返礼品を謳歌してください。

なお、ふるさと納税で返礼品をもらっても、贈与税はかかりません。贈与税は、個人からモノやお金をもらったときにかかります。やや専門的ですが、今後の参考にしていただければと思います。

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さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

大学卒業後、東京国税局を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーで芸人となる。好きな言葉「増税」。著書に『読めば得する税金の話』(総合法令出版)など。

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