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ふるさと納税の控除は?住民税が減額される?正しい知識とお金が返ってくる流れについて

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はじめに

ふるさと納税をすると、返礼品がもらえて、さらに支払ったお金がほとんど戻ってくる。

これは、ふるさと納税をやったことがない方でもぼんやりと認識しているかもしれません。

でも、どうやってお金が戻ってくるかはご存じないと思います。

昔、確定申告の期間に、朝のワイドショーに出演し、ふるさと納税の魅力を解説したことがありました。

こんな返礼品がもらえますよ、手続きがこんな簡単になりましたよ、このような流れで払ったお金が返ってくるんですよ、だから負担が2000円で返礼品がもらえてお得ですよ、そんな企画でした。

生放送は無事終了し、多少の反響を感じていたころ、現役の国税局の方から連絡が来ました。

「ふるさと納税の控除の説明、間違ってない?」

その方は、法人税の担当で、確定申告の期間に応援で携わることはあっても、ふるさと納税を研修やOJTで学ぶことはなかったのだと思います。

どうやら、ふるさと納税をすると、確定申告で所得税が還付になることは知っていたけれど、住民税に影響があることはご存じなかったようでした。

専門ではなくとも国税なので所得税のことは分かる、けれど、地方税である住民税のことはほとんど知らない、これは仕方のないことです。

今回は、専門家でも正しく認識していない、ふるさと納税による所得税の還付と住民税の減額についてまとめました。

ふるさと納税でお金が返ってくる流れは、ワンストップ特例を利用したときとしていないときで異なります。

ふるさと納税をすれば住民税は減額されるの?

まふるさと納税に関するぼくのツイートに、弁護士の方が「ふるさと納税をしたあとの住民税の還付が…」と返信してきたことがありました。

基本的に、ふるさと納税をすることで住民税は減額されます。
還付されるのは、期限後申告をした場合のような、一部の方のみです。

還付は納めた税金が戻ってくることで、減額は、納める前に納めるべき税金が減ることです。

負担する金額が減る点では同じですが、お金の動きが異なります。

混同されている時点で、税の勉強をしているわけではないと分かるのですが、弁護士さんなのでとてつもなく賢いのは間違いないでしょう。

弁護士は、税理士試験を受けなくとも、税理士として登録ができますので、ある意味、専門家といえます。

しかし、それでも誤りを流布してしまう。
それだけ認識を誤りやすい複雑な制度なのが、ふるさと納税なのです。

ワンストップ特例を利用していないとき

ふるさと納税はしたけれど、ワンストップ特例を利用しない、あるいは、利用できないなら、確定申告が必要です。

一般的にいう「確定申告」は、所得税の確定申告なので、申告書を提出すると、納める所得税の金額が変わります。

ふるさと納税をしていれば、確定申告によって所得税が減るので、給与から天引きされた源泉所得税が還付になります。

確定申告の期限である3月15日までに申告すれば、3週間から1ヶ月で、指定した銀行口座に振り込まれます。

名義は、「○○ゼイムショ」となっています。まずは、この金額をメモしておきましょう。

この金額だけでは、ふるさと納税をした金額には遠く及びません。

次に、5月か6月に勤務先から渡される「~~~~ 特別徴収税額の決定通知書」の確認をします。

会社によっては、給与明細と一緒に渡されることもあるようです。

ここには、あなたの年収や給与所得、控除、住民税の金額が記載されています。

ふるさと納税をしていると、この中に、「寄付金税額控除○○円」と記載されている場合があります。
この金額と、○○ゼイムショから振り込まれた金額を合計すると、あなたがふるさと納税をした「金額」―「2000円」と同じになるはずです。

合計の方が少ない場合

ふるさと納税の上限額を超えて、ふるさと納税をしていたのかもしれません。上限とふるさと納税をした金額を確認しましょう。

「寄付金税額控除○○円」がない場合

「税額控除額」の欄を確認します。

東京23区内に住まいがある場合、「税額控除額」は都民税と区民税で分けられています。

この税額控除額には、ふるさと納税に因るものだけでなく、調整控除や住宅ローン控除が含まれます。

そのため、この欄から、ふるさと納税の金額を求めるのはやや難しいと思われます。

調整控除の計算方法を調べてご自身で計算するか、お住まいのある自治体に、確認すると良いでしょう。

ワンストップ特例を利用するとき

ワンストップ特例を利用すると、ふるさと納税を理由に確定申告をすることがなくなります。

すると、所得税が還付になりません。
その分、住民税の減額が大きくなります。

住民税がどのくらい減ったかは、5月か6月に勤務先から渡される「~~~~ 特別徴収税額の決定通知書」で確認をします。

市町村によっては様式が異なりますが、親切な自治体は「寄付金税額控除○○円」とふるさと納税に因る減額分を明記してくれています。
この金額と、あなたがしたふるさと納税の金額から2000円を引いた金額が一致するか確認しましょう。

もし「寄付金税額控除○○円」の方が少なければ、あなたは損をしています。

その場合は、理由を確認しなければいけません。

あなたがしたふるさと納税の金額とふるさと納税の上限額を比較し、それでも分からなければ、自治体に連絡しましょう。

「ふるさと納税でお金が戻ってくる」と聞いた人が知っておくこと

ふるさと納税でお金が戻ってくるまでには時間がかかり、戻ってくるのではなく、ほとんどが減額です。

確定申告の期限までに確定申告をする、あるいは、ワンストップ特例を利用した場合、住民税が還付になることはありません。

還付と減額は、異なります。

もし、あまり知識のない人に「確定申告で還付になるよ」と聞いても、鵜呑みにしてはいけません。

確定申告のあとの還付金だけでは、あなたが行ったふるさと納税の金額に全然足りないからです。

もう少し待って、住民税が減額になって、晴れて、ふるさと納税の恩恵をすべて享受できます。

知人のぼんやりとした情報がきっかけで、ふるさと納税を始めるのは良いですが、ご自身でも調べることが必要です。

そうでないと、のちのち混乱を招き、ストレスになるかもしれません。

さいごに

国や自治体が、ミスをして還付や減額が行われないことはほとんどありません。

処理が、数ヶ月遅れることがあっても、永遠に放置されたという話は聞いたことがなく、その点は安心して良いと思います。

還付金を確認したり、住民税の税額控除を通知書で確認したりする作業はすぐにできますが、「確認しなければ」と記憶し、待っているのは、大きな負担となります。

上限額や事前の手続きを守っていれば「大丈夫。きっと還付も減額もされるだろう」と考えて、忘れて生活していただいても問題ないかと思います。

役所や役所の人が批判されるのはよく耳にしますが、みなさんが思っているより優秀な人が集まっています。

公務員の数も組織も多いので、ミスが発生することはありますが、確率はそれほど高くないように思います。

ただ、それが大きく報道されることで、「お役所仕事は…」と揶揄される。

世間で言われるより、現代の公務員は、効率的に無駄なく働いています。

還付や減額もしっかりと処理されるはずですが、それでも心配な方だけ、この記事に記した方法で、ご確認ください。

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さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

大学卒業後、東京国税局を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーで芸人となる。好きな言葉「増税」。著書に『読めば得する税金の話』(総合法令出版)など。

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