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投稿日:2019年11月13日 更新日:

【FP解説】がん保険の見直しで押さえておきたいポイントとは?2019年最新情報

小沢 美奈子

小沢 美奈子

厚生労働省が公表している人口動態統計(2018年度)によると、日本人における死亡原因のトップは「悪性新生物(がん)」。

2番目は「心疾患」、3番目は「脳血管疾患」となっています。

驚くべきが、全体に占める、がんで死亡する人の割合が約3割近く(27.9%)にものぼること。

2位の心疾患で死亡する人の割合(15.3%)を大きく引き離しているのです。

また、国立がん研究センターの統計によると、生涯でがんにかかる確率は、男性62%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)という報告もあります。

このように、誰もがなり得ると言っても過言ではない「がん」。

こうしたがんへの備えとして、身近な方法の一つにがん保険への加入があります。

がん保険に「これから入りたい」という方もいると思いますが、「既に加入している」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、「既に加入している」方を中心に、見直し方のポイントをご説明します。

もちろん「これから入りたい」という方にも役立つ内容をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

 

がん保険ってどんな保険? いま一度おさらい

病気に備える保険と言えば医療保険です。

がん保険は保障の対象をがんに絞っている医療保険の一つとなります。

がんにより入院したり、手術を受けたりした時には給付金、そのほか死亡時には保険金が受け取れる保険です。

がん保険の主な給付内容について確認してみましょう。

  • がん診断給付金・・・がんと診断されたら受け取れる給付金
  • がん入院給付金・・・がんで入院した時に、入院日数に応じて受け取れる給付金。通常の医療保険は、入院給付金の支払日数に60日や120日などの制限があるが、がん保険は、入院給付金の支払日数が無制限となっていることが一般的
  • がん手術給付金・・・がんで手術を受けた時に、手術の種類によって、入院給付金の10倍や20倍、40倍などが受け取れる。
  • がん先進医療給付金・・・がんの治療を目的として、所定の先進医療による療養を受けた時に受け取れる給付金

 

そのほか、がん通院給付金、がん放射線治療給付金、抗がん剤・ホルモン治療給付金などの保障もあります。

 

最近のがん治療は入院より通院がメイン

 

がん保険を見直す上で押さえておきたいのが、最近のがんにおける治療についてです。

実はひと昔前まで、がんの治療は、長期にわたる入院が必要となるケースが一般的でした。

ところが最近は、通院治療がメインとなっています。

出典:厚生労働省 患者調査の概況

 

上の図をご覧になるとお分かりになりますが、がん患者の病院受診率は、入院より外来で治療する率の方が多くなっています。

がんの三大治療と言えば「手術」「化学療法(抗がん剤治療)」「放射線療法」ですが、今や抗がん剤や放射線治療を日帰りで受けてる人も少なくありません。

 

その結果、「がん患者 退院患者の平均在院日数」を見てもお分かりの通り、入院日数自体も減っているのが今のがん治療の現状です。

 

がん保険見直しのポイント

その1:入院メインのがん保険に加入している場合は見直す価値あり!

「昔に比べて、がん治療が入院から通院にシフトした」という事実を鑑みると、入院治療がメインのがん保険に加入している方については、新しいがん保険に見直しする価値は十分にあると言えるでしょう。

実際、最近発売されているがん保険の多くは、がんと診断されると受け取れる診断給付金がメインとなっているものや、通院治療に重点を置いたものが多い傾向にあるからです。

たとえばある保険会社では、基本保障として入院や通院にかかわらず、がんの三大治療を1つでも受けたら治療給付金が受け取れ、入院保障は特約で付帯できるようになっている商品があったり、そのほかある保険会社では、放射線治療や抗がん剤・ホルモン剤治療給付金が基本保障に含まれていて、手術給付金や入院給付金などは特約で付帯できるようになっている商品があったり。

 

とにかく昨今のがん保険は、カスタマイズ性が高いという印象があります。

気になる方は、現在加入中のがん保険といくつかのがん保険を見比べてみて、必要な保険に乗り換えてみるのもアリでしょう。

 

その2:がん先進医療給付金がない保険に加入している場合なら?

今では当たり前に付帯できるがん先進医療給付金の保障ですが、その保障を付帯できない保険も中にはありました。

もしがん先進医療の保障が付帯されていないがん保険に加入している場合は、保険を見直す価値はあるかもしれません。

先進医療とは、厚生労働大臣が定めた、公的医療保険制度の対象外である高度な医療技術が必要となる医療を指します。

代表的なものには陽粒子線治療や重粒子線治療などがあり、費用は先進医療のケースにもよりますが、数万円から数百万円かかることがあります。

技術料は基本的には全額自己負担で、高額療養費制度の対象にもなりません。

そのため、保険で備えておくのが得策です。

 

その3:自由診療にも備えたい

自由診療とは、一般的に公的医療保険制度が適用されない診療のことを指します。

気になるその費用負担ですが、自由診療も先述の先進医療と同様、基本的には全額自己負担となります。

ただし昨今は、がん治療において、自由診療が選択肢の一つとして考えられるケースも増えてきました。そのような需要もあり、がんの治療でかかった費用を全額支払ってくれる商品も登場しています。

自由診療や先進医療などを含めたがんの治療費に備えたい場合は、保険を見直す際に、そのような保険に乗り換えるのも一案だと思います。

 

がん保険の見直しはココに注意しよう!

契約後90日の待機期間で保障が受けられない・・・

実はがん保険は、保険に加入してからすぐに保障がはじまるわけではなく、契約してから90日経過後に保障が開始されること(90日の待機期間がある)が約款に含まれているのが一般的。

つまり、保険に加入して90日以内にがんと診断されても、給付金などは出ないのです。

がん保険の見直しでは、原契約を解約して、新しいがん保険に入ることも考えられますが、90日の待機期間があることを念頭におかないと、必要な時に必要な保障が受けられない事態に陥ってしまいます。

そうならないためには、できれば新契約に加入して90日が経過するまでの間は、旧契約を解約しないことが望ましいと言えます。

保険料の負担は発生してしまいますが、無保険状態を防ぐ対策にはなるでしょう。

 

保険の見直しで保険料が上がってしまうことも・・・

がん保険の保険料は、保障内容の多さや年齢により、その金額が決まる仕組みになっており、保障が増えるにつれ、もしくは年齢が上がるにつれ、保険料は高くなっていきます。

そのため、がん保険を見直して新たな保険に乗り換えることで、保険料が上がってしまう可能性もあるのです。

新しいがん保険の方が魅力的に感じる場合もあるかもしれませんが、すぐに飛びつくのではなく、保険料の負担は冷静になって検討すべきでしょう。

たとえば、現在加入しているがん保険より、新しく入ろうと思っているがん保険の方が保険料が高くなるようなら、加入中の保険はそのままにして、新しい保険との差額を貯蓄に回すことも考えてよいと思います。

 

がん保険の見直しは、保障内容と保険料のバランスを考慮し、慎重に検討することが大切です。

 

さいごに

がんの治療は日々進化しているのと同時に、がん保険も新しい保障などが開発されています。

昔の保険のままでは、保障が不十分となってしまう可能性も考えられます。

ですので、保険に関する情報収集と定期的な保険の見直しは忘れないようにしましょう。

最後までお読みいただき感謝です。

 

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小沢 美奈子
ファイナンシャルプランナー。K&Bプランニング代表。大学卒業後、損害保険会社やFP事務所等を経て独立。Webや書籍などでの記事の執筆、セミナー講師、家計相談を行う。趣味はカメラ。2019年10月11日に、これまでの節約方法を覆す驚きのハウツー本、著書『本物の節約・残念な節約』が発売。

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