コラム

投稿日:2019年12月29日 更新日:

フリーランスにお得な付加年金のデメリットとは?どれくらい年金が増える?

わたる
ライター/ファイナンシャルプランナー

わたる

老後の年金は誰しも気になるものですが、

  • フリーランスで生計を立てている人
  • パート/自営などで年収130万円以上稼ぎ扶養から外れた主婦さん
  • 夫が個人事業主・自営業者

などは、厚生年金がなく、支給されるのは国民年金のみ。将来いくらもらえるのか、生活資金が足りるのか気になりますよね。

実は「付加年金」という制度を利用すれば、支給額を簡単に増やせるのを知っていますか?

元をとれるまで必要な期間はわずか2年。

今回は、国民年金のみ加入していて将来に不安を感じる人に向けて、「付加年金」の制度の仕組みやメリット・デメリットについて解説をしていきます。

「簡単に年金額を増やす方法知りたい!」という方はぜひ参考にしてみて下さい。

 

そもそも付加年金とは

付加年金とは第1号被保険者、任意加入被保険者(日本国内に住む60歳以上65歳未満の人で一定の条件を満たす人)のための年金制度です。

ポイント

国民年金保険料に追加保険料(一律400円)を上乗せして納めることで、年金を多少増やすことができます。

会社員には国民年金の他に厚生年金がありますが、自営業者のような第1号被保険者はそれがありません。

つまり付加年金は、受け取る年金が少なくなってしまう人の救済措置としても知られています。

仮に付加年金を20年(240か月)払い続けた場合、

  • 掛け金 400円×納付期間(240か月)=96,000円
  • もらえる付加年金 200円×納付期間(240か月)=48,000円(年間)のリターン

つまり2年経てば48,000円×2年=96,000円分支給され、2年後には元が取れることに。

3年以降は全て利益になり、生きている限りずっと支給されます。

ただし掛金が安い分、他の第一号被保険者の年金制度である国民年金基金よりももらえる額が少ないです。

ですので「少しの掛け金で、少しだけ年金が増やせれば」と思っている人におすすめです。

 

第1号被保険者とは誰のこと?

第1号被保険者とは、国民年金保険のみの受給者を対象にした人を指し、「厚生年金を支払う会社員や公務員以外の人」となります。

第1号被保険者

  • 自営業者(フリーランス。開業医、弁護士なども含む)
  • 家族従業員(自営業主の手伝い)
  • アルバイト・パートなどの非正規職員
  • 20歳以上の学生
  • 農業・漁業に従事する人
  • 無職の人

就職して厚生年金に加入する予定のない人は視野にいれてもいいですね。

 

付加年金加入の対象外となる人

  • 会社員や公務員などの第2号被保険者
  • 専業主婦、兼業主婦などの第3号被保険者
  • 国民年金保険料の免除を受けている人
  • 国民年金基金の加入者

上記を見ても分かるように、付加年金はあくまで第1号被保険者のための制度だといえます。

後ほど解説する「国民年金基金」の加入者も付加年金を利用できません。

 

付加年金のデメリット

ではさっそく付加年金のここが微妙、こんな人には合わないというデメリットについて見ていきましょう。

 

もらえる金額が少ない

掛け金が少ないのはメリットですが、言い換えれば、もらえる金額が少ないのはデメリットですね。

仮に40年付加年金を払い続けたとしても、月にもらえる年金の額は8,000円という計算になります。

そのため、もっと多くの年金をもらいたいなら国民年金基金の方がおすすめです。

掛金をそこまでかけたくなくて、年金を少しだけ増やしたいというのであれば、付加年金はおすすめです。

 

年金受給まで生きないと支給されない

付加年金は国民年金と同じ年金制度になるので、年金が受給される年にならないと支給されません。

ですので、その前に死んでしまうと支払った金額が損になります。

対策としては、なるべく健康に生活することくらいです。

 

繰り上げで受給すると付加年金も減額される

65歳からもらえる年金を、60歳から65歳未満の間に繰り上げて受給した場合は、付加年金も同時に減額されて受給されるので注意です。

「繰り上げた月数×0.5」の減額を受けることになります。

ですので繰り上げを行うことを考えているならば、慎重に考えましょう。

 

老齢基礎年金が全額不支給だと付加年金も不支給になっていまう

老齢基礎年金が不支給になる場合は付加年金も不支給になります。

例えば、老齢基礎年金と障害基礎年金の両方の受給権を持っているケースです。

この場合、老齢基礎年金と障害基礎年金をどちらかを選択しなくてはならないので、障害基礎年金を選択すると老齢基礎年金も不支給になり、付加年金も不支給になります。

選択するときは、付加年金の支払い額を考慮して選択するようにしましょう。

 

インフレに弱い

付加年金はデフレには強いですが、インフレには弱いです。

例えば、400円だったものは数10年後480円になった。けれども付加年金の支給金額は定額なので、インフレになると損をすることになります。

 

付加年金をおすすめしない人は?

メリットやデメリットを受けて付加年金をおすすめしない人は次の通りです。

  • できるだけ多くの年金をもらいたい人
  • 健康に自信のない人
  • 年金の繰り上げを考えている人
  • 中年期以降の人

20代から40年払い続けた場合でも、年額最大で96,000円の受給となります。

そのため、歳をとり加入期間が短いほど、将来もらえる額が減ってしまう点は注意しておきましょう。

 

付加年金のメリットは?

冒頭で「2年で元が取れる」「掛け金が安い」などお伝えしてきましたが、それ以外にも付加年金のメリットはあるんです。

 

繰り下げ受給を行うと同時に付加年金も増額される

年金は原則65歳からもらえますが、65歳以上に繰り下げ受給を行うと「繰り上げた月数×0.7」分、年金が増えます。

これは付加年金も同様で同率に増額されます。

 

全額が所得控除の対象になる

付加年金は、全額が所得控除(社会保険料控除)の対象になります。

そのため所得税と住民税が安くなります。

節税対策を行いたい人にとってはおすすめの制度といえます。

 

3年以上納付期間があれば死亡一時金が加算される

遺族基礎年金の受給権がない場合、条件を満たせば死亡一時金が支給されます。

36か月以上(3年以上)を納付していれば、8,500円が加算されます。微々たるものですがあるに越したことはないですよね。

 

デフレに強い

付加年金の支給額、定額の200円で物価スライド(物価による増額・減額)を受けません。

例えば、400円だったものは数10年後に350円になった。けれども付加年金の支給金額は定額の200円です。ですのでデフレになる場合は得をすることになります。

 

付加年金で受給額はいくらになるかをシミュレーション  

付加年金で受給額がいくらもらえるのか?30年、40年支払った場合でシミュレーションを行っていきます。

 

30年 付加年金を支払った場合

  • 支払う分:400円×360か月= 144,000円
  • 受け取れる分:200円×360か月= 72,000円

30年だと72,000円分の年金が増えます。

その後、65歳から20年間付加年金を受給するとなると、72,000円×20年=1,440,000円。

ちょうど支払った分の 144,000円から10倍の得ができます。

 

40年 付加年金を支払った場合

  • 支払う分:400円×480か月192,000円
  • 受け取れる分:200円×480か月96,000円

40年だと96,000円分の年金が増えます。

20年付加年金を受給するとなると、96,000円×20年=1,920,000円。

つまり、192,000円の支払いで1,920,000円を受け取ることができます。

長い目で見るとかなりお得になりますね。

 

付加年金の手続き方法と申し込みに必要なもの

ここからは実際に付加年金を手続きするための方法と、申し込みに必要なものについても説明をしていきます。

実際に筆者が住んでいる市役所に付加年金の申し込み方を聞いてみました。

 

付加年金申請の申し込みができる場所

付加年金の手続きは、市役所および町村役場の窓口、年金事務所で申し込みができます。

住んでいる市役所、区役所には年金のコーナーがあるはずなので、そこで付加年金の申請を行いましょう。

自治体によっては電子申請や郵送でも受け受けてくれる場合があるので、やりやすい方法を選ぶといいですね

 

付加年金の申請書類

職員さんに聞くと、以上のような国民年金被保険者関係届書(申出書)という申請書類を出してもらいました。

上記の画像のように書類に丸をつけてもらい「ここを記入して下さい」と言われました。

記入しなくてはいけない箇所としては、

  • 個人番号
  • 生年月日
  • 氏名
  • 性別
  • 郵便番号
  • 電話番号
  • 住所

です。

基礎年金番号を記入しなくてはならないため、番号が分かる書類の年金手帳や基礎年金番号通知書を持っていきましょう。

 

付加年金の手続きに必要な書類

  • 年金手帳又は基礎年金番号通知書(申し込み書に基礎年金番号を記入するため)
  • 印鑑(申し込み書の押印に必要)
  • 身分証明書(運転免許証など)
  • マイナンバーカードまたは番号確認書類

付加年金の申し込みには以上の書類が必要となります。

ただし必要な書類は自治体によって異なるため、申請をする前に確認を取るようにしたほうがいいでしょう。

 

妻が代理で申し込む場合は?

人によっては、役所は土日は開いていないので、夫ではなく妻が代わりに申し込みたいという場合もあると思います。

この場合妻でも代理で申し込むことが可能です。

代理で申し込む場合は、委任状および代理の方の本人確認書類(運転免許証など)が必要です(埼玉市の場合)

各市のホームページでは、代理についての必要書類については記載してないところもあったので、調べても分からない場合は、直接問い合わせてみるといいかもしれません。

 

付加年金の期限は?

付加年金の納付期限は、翌月末日(納期限)と定められています。

月末が土曜日、日曜日、休日にあたる場合や年末の納付期限は、翌月最初の金融機関等の営業日になります。

なお納付期限が経過した場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることが可能です。

 

付加保険料の納め方について

付加保険料の納め方についても説明をします。

支払い方法は、

  • 納付書でコンビニなどで払う
  • 口座振替で自動引き落とし
  • クレジットカード
  • 電子納付(Pay-easy)

などがあります。(自治体によって違いがあり)

付加保険料は申し込んだ月分から支払うことになっているので、好きなタイミングでいつでも始められます。

 

月々の保険料を納付書で納める場合

後日送られてくる付加保険料込みの国民年金の納付書を、近くの金融機関やコンビニエンスストア等で納めましょう。

 

国民年金保険料を前納で納付済みの場合

後日送られてくる付加保険料の納付書を、近くの金融機関やコンビニエンスストア等で納めましょう。

 

月々の保険料を口座振替(クレジット)で納める場合

指定の口座から、付加保険料込みの金額が引き落とされます。

ただし金融機関等への手続きの関係で、申し込んだ後の1か月から2か月は、付加保険料の納付書で近くの金融機関やコンビニエンスストア等で納める場合もあります。

 

付加年金はさかのぼって支払える? 途中で辞められる?

過去には「付加保険料の特例納付制度」という、納めることができなかった付加保険料を過去10年間までさかのぼって納めることが可能な制度がありました。

しかしこの制度ですが、残念ながら平成31年3月31日をもって終了してしまいました。

 

過去2年までならさかのぼって支払える

付加保険料の特例納付制度は終了しましたが、納付期限である翌月末日を過ぎても、過去2年分までならばさかのぼって付加保険料を支払うことができます。

 

付加年金を辞退したい場合は?

  • 第1号被保険者に該当しなくなったため付加年金納付を希望しない
  • 国民年金基金に乗り換えたい

などの場合は、付加保険料納付辞退申出書の提出すれば納付をやめることができます。

書類を提出した窓口に提出するか、確認をしてから郵送しましょう。

 

「付加年金」と「国民年金基金」「個人型確定拠出年金/iDeCo(イデコ)」の違い

「付加年金」以外にも、第1号被保険者のための年金制度があります。

それは、

  • 国民年金基金
  • 個人型確定拠出年金/iDeCo(イデコ)

です。

これはどんな制度なのか?付加年金と何が違うのか?についてをそれぞれに解説をしていきます。

 

国民年金基金とは?

国民年金基金は、付加年金と同様に自営業やフリーランスなど、第1号被保険者が加入できる国民年金に上乗せをして受給できる年金制度です。

次のような特徴があります。

  • 掛け金の拠出限度額は月額68,000円(個人型確定拠出年金との合計)と高い
  • 掛金はすべて社会保険料控除の対象で節税ができる
  • 掛け金をいつでも増減できる
  • 受け取る年金は公的年金等控除の対象

大きな特徴としては、掛け金が控除できるので住民税などが安くなる点と、状況に合わせて月ごとに自由に掛金を増減できる点です。

自分が何口加入するかで将来貰える年金の額が決まることが付加年金との違いです。

1口目は終身年金、2口目以降は終身年金または確定年金から選択する形式になっています。

ただし、国民年金保険料を免除されている人、農業年金の被保険者である人は国民年金基金に加入することができません。

 

付加年金と併用ができない

残念ながら国民年金基金は、付加年金と併用することができません。

多く受給したい人は国民年金基金、受給額が少なくても掛金を少なくしたいという人は付加年金を検討しましょう。

 

個人型確定拠出年金/iDeCo(イデコ)とは?

個人型確定拠出年金/iDeCo(イデコ)とは、決まった額を積み立て、その資金を自分で運用し老後に備えることが付加年金との違いです。

対象者も幅広く、

  • 第1号被保険者の自営業者やフリーランス
  • 第2号被保険者の会社員
  • 第3号被保険者である専業主婦
  • 扶養内で働く主婦

2017年から制度が拡大されて専業主婦なども加入できるようになりました。

加入者が掛けた金額はすべて小規模企業共済等掛金控除の対象になり、節税も可能です。

掛け金の月々の限度額は以下のようになります。

  • 自営業などの第1号被保険者は、最大68,000円
  • 会社員などの第2号被保険者は、最大23,000円
  • 専業主婦などの第3号被保険者は、最大23,000円

自営業の場合は厚生年金がない分、将来のために掛金の限度額は高く設定されていますね。

付加年金と個人型確定拠出年金は併用できるのですが、付加年金と個人型確定拠出年金の掛け金を合計した数の上限が68,000円、ということになります。

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おわりに

付加年金は掛金が少ないので気軽に始められる年金です。

「少しの掛け金で、少し年金を増やしたい」という人に付加年金は向いています。

一方で、もらえる金額は他の年金制度に比べて少ない、国民年金基金と併用ができない、という点は注意しておきましょう。

この記事を書いた人

わたる
わたる
埼玉出身のアイドルオタク。大学時代は就活に失敗してフリーターになってしまう。
その後一時は就職するも仕事を辞め、現在はフリーライター。
推しメンに多く会い行きたいという思いから節約を始める。そのなかでFPの資格も取得。
オタク活動費は必要経費。推しメンの笑顔はプライスレス。

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